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オーダーメイドシザーケース 製作風景 vol.2
前回に引き続き、オーダーメイドシザーケースの製作風景をご紹介していきます。
掲載する写真を厳選しているのですが、vol.10位までいきそうですね。。
長くなりそうですが、お付き合い頂けると大変嬉しいです。
前回、革の厚みを薄く漉いて、大まかにパーツをカットした粗裁ちの状態でした。
今回は、正確なパーツに切り出す為に、革に型紙をあててパーツのラインを引いていきます。
全てのパーツのラインを革に引き終わりました。
写真はシザーホルダーのパーツですね、引いた線がうっすら見えるかと思います。
全てのパーツにラインを引き終えたら、ラインに沿って切っていく工程に移ります。
革を切るのは、「革包丁」と呼ばれる道具です。
よく研いだ革包丁で、一発で切り出した断面は、とても美しいです。
この包丁のテクニックも、作品の印象に大きく影響してきますね。
やはり、気を抜けない作業です。
集中、集中と、全てのパーツを切り出しました。
明日は、このパーツ一つ一つに、息を吹き込んでいきますので、是非、覗いてみて下さい。
オーダーメイドシザーケース 製作風景 vol.1
本日は、オーダーメイドシザーケースの製作風景をご紹介していこうかと思います。
拘りのシザーケースが出来るまでを数日に分けて、かなり細かくご紹介する予定ですのでお付き合い頂けると嬉しいです。
型紙製作は、写真でお伝えしてもあまり面白くなさそうなので、、型紙製作後からスタートします。
まずは、型紙から一つ一つのパーツをざっくり切り出し「革漉き」をしていきます。
toolsで使用している皮革イングラサットは元々3mm程度ありますので、各パーツ適切な厚みに薄くしていきます。
最初のこの工程で、シザーケースの良し悪しが確定するので、気を抜けない作業です。
強度が必要なパーツを薄く漉き過ぎれば、すぐに壊れてしまいますし、厚くしすぎれば、無骨な作風になってしまうので、シビアなんです。
このように、革の下の部分が漉けています。
オーダーメイド主体でシザーケースを製作するようになってから、この革漉き機NIPPY NP-2を購入しました。
革職人も世代交代の時期を迎えていて、高齢の職人が引退し、私のような若い世代が、また職人を目指すようになりました。
この革漉き機NIPPY NP-2も中古でボロボロに使い込まれた物をオーバーホールしてもらい購入しました。
どのような職人さんが使用していたか分かりませんが、その使い込まれた雰囲気を見る度に気が引き締まります。
一つのシザーケースを作るのに、これだけの漉き屑が出ます。
今回もしっかり漉き作業が出来たので、一安心。
本日は、この「漉き」作業までをご紹介しました。
次は、この荒裁ちしたパーツ達を正確に切り出していく所からご紹介する予定です。
また、お時間の空いた際に覗いて頂けると、大変嬉しいです。
サンプルでのフィッティングで更に使い易く オーダーメイドシザーケース
オーダーメイドシザーケースの打ち合わせに、横浜エリアのAsh様にお伺いしてきました。
一回目はヒアリングを行い、今回は製作したサンプルでサイズ感のフィッティングを行います。
サンプルは、屑革を使っていますので、見た目は、ちょっとアレです・・
各スペースの容量に問題が無いか確認し、ベルトの位置もジャストで留められるようにサイズを測ります。
この工程を経る事でストレス無く使えるシザーケースになっていきます。
とても嬉しい事に、二つオーダーして頂いたので、こちらのシザーケースもフィッティングを行います。
一つブラシが入らなかったので、本番の製作では、型紙に修正を加える必要がありますね。
このような感じで、シザーケースのオーダーメイド製作をしています。
ご興味がございましたら、お気軽にご連絡を頂ければと思います。
シザーケース 持ち運びに便利な平置きクラッチバックタイプ
以前、ブログで掲載したクラッチバックタイプの平置きシザーケースを納品してきました。
シザーを入れた状態の写真を撮らせて頂いたので、掲載。
シザー有りだとグッと良く見えますね。
こちらのシザーケースは、最初ラウンドファスナーウォレットのような形になる予定でしたが、少し遊びが欲しいとのことで、半月タイプに。
クラッチバッグのような雰囲気で、実際、手に持った所が絵になるんですね。
とても素敵でした。
まぁ、その写真を撮って来なかったことを今になって後悔しているんですけどね。。
シザーの持ち運びに困っている美容師さんは多いので、今後、需要がありそうな作品です。
オーダーメイドシザーケース 打ち合わせの様子
オーダーメイドシザーケースの打ち合わせの様子です。
自宅を工房にしている為、閉店後のお店にお伺いしてヒアリングを行っています。
店舗を持たない事で、経費を抑えている為、他社様よりもオーダーメイドの価格としては、お安くご提供させて頂いています。
製作事例のアルバムや各種パーツ、皮革サンプルを見て頂きながらイメージを形にしていきます。
他社ブランドで近いイメージの物がある際は、そこからブラッシュアップしていく事もあります。
真剣な眼差しで皮革を選んでいる様子です。
長く使えるシザーケースをモットーに製作をしているので、妥協の無いように、じっくり考えて頂きます。
30分の打ち合わせでシザーケースのラフが出来上がりました。
これも、かなり格好良くなりそうなので、製作するのが楽しみです。
平置きシザーケースのオーダーメイド クラッチバッグタイプ
置いて使える平置きシザーケースのオーダーメイドが入りましたので、製作の様子をご紹介します。
今回は、半月型のクラッチバッグタイプのシザーケースです。
革の色は、外側の外装を紺、中パーツ赤、パーツはゴールドという素敵な感じ。
作る前からテンションが上がります。
まずは、中パーツを製作していきます。
ハサミの位置をキチッと合わせてきたので、サンプルの皮革に目打ちをして、本番革に反映します。
目打ちをした位置にパーツを縫い付けています。
既製品と違い、バッチリの位置に出来るのがオーダーメイドの良い所ですね。
今回は、総手縫いで仕立てていきます。
ファスナーの取り付けは、企業秘密。
外装と内装を縫い付けていきます。
以前、ウォレットをメインに扱うブランドを運営していた際に、ラウンドファスナータイプを製作していた技術が活用出来ます。
色々な経験は、無駄にならないものだと、今更ながら思います。
そして完成。
自分で言うのもなんですが、本当に素敵に仕上がりました。
オーダーして頂いたのは、女性の美容師様でしたが、バッチリ似合うと思います。
オーダーメイドは、お客様を見て、話してからでないとtoolsでは、製作をしておりません。
作り手が、美容師様の雰囲気や話し方から完成形をイメージ出来ないと絶対に良い物にはならないからです。
全部、私に革製品の技術を教えてくれた師匠の受け売りですが。。
本当にそう思います。
オーダーメイドシザーケースの経年変化
3ヶ月前にオーダーメイドで製作したシザーケースの様子を見てきました。
自分の行った製作方法に間違いが無かったかどうか、定期的に使い込まれた作品を確認する事はとても大事な事だと思います。
売って終わりにしてしまうと、作品の品質は向上していきません。
確かだと思っていた製作技法でも、エラーが潜んでいる事があるからです。
不具合が発生してお客様から連絡があれば良いのですが、無かった場合、気付かずにエラーを量産してしまうので、考えるだけで怖いですね。
まだ、3ヶ月なので、全く問題はありませんが、今後も定期的に見ていくつもりです。
そして、今回見て気になったのが革の色。
3ヶ月ですが、かなり良い感じに濃くなってきていますね。
toolsのシザーケースに使用している定番レザーの「タン」という色です。
比較出来るように、納品前の写真も載せておきました。
経年変化を楽しめる色なので、今の所、一番人気ですね。
更に1年後、3年後、どうなっていくのか楽しみです。
toolsのシザーケースは全てハンドメイドで製作しています
一点一点、ハンドメイドで仕立てるのがtoolsのシザーケースの拘りです。
写真は、シザーケース背面のベルトループを縫製している所です。
このベルトループに、全てのシザーケースの重みが加わるので、今まで試行錯誤してきた中で一番強度の高い糸を使用しています。
最初、強度があっても、数年経つと強度がガクっと下がって切れてしまう物も多く、ようやく見つけた手縫い糸です。
この糸は、ミシンでは使えない為、手縫いで縫製しています。
toolsのシザーケースは、接合部に必要な強度を考え、適切な糸を使用している為、長くお使い頂けるシザーケースになっています。