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オーダーメイドシザーケースのサンプル製作
こんにちは。toolsの小柴です。
先週、オーダーが、まとまって飛び込んできましたので、型紙、サンプル製作に没頭しています。
年末になってしまうと、オーダーもパタッと止まってしまうので、このタイミングでのご依頼は、本当に嬉しいです。
数は、多いですが、一つ、一つ、感謝の気持ちを込めつつ丁寧に作っていこうと思います。
このような感じで、屑革を使ってサンプルを製作しています。
このサンプルに、普段お使いのシザーやコームを入れてサイズ感を確かめて頂きます。
私の知っている限りでは、サンプルを使ってフィッティングを行っているブランドさんは、あまり無いと思います。
何故、toolsでフィッティングを行うようになったかというと、きっかけは、思い返すと2つあります。
一つは、私の担当の美容師さんが見せてくれたオーダーメイドシザーケースです。
オーダーで製作したにもかかわらず、ブラシホルダーのサイズが合わず、ただの飾りになってしまったという話。
二つ目は、私がオーダーメイドでのシザーケース製作を始めた初期の頃に遡ります。
オーダーをして頂いた美容師様が工房から近くの美容室に勤めていましたので、ボタンの位置等を確認する為に製作したサンプルを持って行きました。
そこで、シザーやコームを入れて確かめてみると、かなり念入りに打ち合わせしていたのですが、スペースのサイズ調整があったのです。
これは、サンプルでフィッティングを行わなかった場合、オーダーして頂いた美容師様は、完成品を使用した際、「少しサイズ感が違ったな」と思っていた事になるのです。
この出来事があってからは、屑革でのフィッティングは、デフォルトで行うようにしています。
長く使う物ですので、「快適である」事は、とても大切です。
シザーケースの「tool」としての完成形を目指して、これからも試行錯誤していこうと思います。
人気のソリッドタイプのシザーケース
こんにちは。toolsの小柴です。
今日も、過去に納品したオーダーメイドシザーケースを一つギャラリーにアップしました。
このような、先端が徐々に細くなっていくソリッドなシザーケース。
このタイプは、男性の美容師様から人気がありますね。
シザーケースを付けた見た目も、ソリッドで個人的にも大好きな形です。
背面は、このような感じです。
ステッチの色が白っぽい所は、強度の高い糸を使用して手縫いしている所です。
要所に合わせたミシンと手縫いの使い分けが、壊れにくいシザーケースを作る秘訣です。
全部手縫いしてしまうのが、一番なのですが、手縫いはミシンの10倍以上の時間が掛かりますので、商品の値段が上がってしまいます。
価格を抑える為にも、ミシンで良い所は、ミシンで縫製するのが、tools流です。
そしてこのシザーケースの最大の特徴は、普段しているパンツのベルトに引っ掛けて使う事も出来ますし、付属のベルトを使用することも出来る2way仕様。
その時の気分に合わせて付け方を変えて楽しむそうです。
革に掛かる負荷も2wayで使用する事で分散されるので、この方法は、かなり今後の作品に影響を与えてくれそうな気がします。
コンパクトな5丁挿し用シザーケース スタッズ付き
こんにちは。toolsの小柴です。
昨日に引き続き、スタッズ付きの5丁挿し用シザーケースを製作している所です。
本体にシザーホルダーのパーツを縫い付ければ完成という佳境を迎えています。
本体が、完成したら今度は、ベルトを製作。
toolsのシザーケースは、本体とベルトで同じ革を使用しています。
同じ革を使用する事で作品の一体感が出せるので良いのですが、一つ難点があって、革の大きさの都合上、あまりに長いベルトは切り出せません。
女性の美容師様ですと、シザーケースを腰に巻く場合と、ショルダーとして使う場合がありますので、ベルトの長さが、かなり必要になります。
理想は、一枚革で長いベルトを作る事ですが、それが出来ないとなると少し頭を使わなければなりません。
今回の、スタッズ付きシザーケースも、腰巻きとショルダーの兼用をご希望されていましたので、このように二つのパーツを製作する事で解決しています。
写真の左側のベルトは、長さを調節出来るようになっていて、これを調節するだけで、腰巻きとショルダーに対応出来るようになっています。
そして、これが、完成したコンパクトな5丁用シザーケースです。
スタッズが、思っていたより遥かに、いい味を出していますね。
スタッズも、このようにシンプルに配置してあげる事で、ハードな印象では無く、ナチュラルな印象になっています。
オーダーメードで製作をしていると、お客様に教えられる事も多々あります。
自分発信の作品だけですと、自分の領域内で製作をしがちになるのですが、オーダーメイドでの製作は、領域の外まで連れ出してくれるので、本当に楽しいです。
ボタンを開けば、このようにバカッと空きますので、掃除のし易さは抜群です。
今回のシザーケースは、設計にかなり苦戦しましたが、満足のいく出来になりました。
ヌメ革のスタッズ付きシザーケースを製作中
こんにちは。toolsの小柴です。
先週まで掲載していた「シザーケースの製作風景」が、以外にもご好評頂いております。
かなり製作に偏った連載でしたので、見てくれている方がいるのか不安でしたが、ホッとしました。
今後も、製作中の作品のポイントを掲載していく「やる気」に繋がりましたので、頑張っていこうと思います。
それでは、早速、製作中のシザーケースをご紹介しようと思います。
今回オーダー頂いた美容師様は、スタッズをあしらったコンパクトな5丁挿し用を製作したいとのことでした。
スタッズが付いたタイプのご依頼は、あまりなかったので、製作が楽しいですね。
オーダーメイドは、毎回、違う形のシザーケースに挑戦出来ますので、私としては、とても刺激的です。
複雑な模様では無く、フチに沿って打っていくシンプルな感じです。
そして、これは、ダックカールベルト。
トリック編みというブレスレット等でよく使われている技法です。
女性の美容師様は、この編み込みを選択される方が多いですね。
アメカジっぽい男性でもバッチシ決まりそうです。
そして、これが全体です。
ボタンの取り付け位置が数ミリずれると、想定している形とは、かなり違う物になってしまうので、物凄く神経を使います。
開いている状態では、ボタンを付けた時に、どのような形になるか全然分かりませんね。
明日、完成した姿をお披露目出来ると思いますので、是非、覗いて見て下さい。
toolsがオススメするシザーケースの選び方
こんにちは。toolsの小柴です。
日曜日でしたが、とても嬉しい事に、オーダーの依頼を複数頂けているので、せっせとシザーケースを製作していました。
もうこのブログを見てくれている方は、ご存知かもしれませんが、本体とベルトの接合部分を製作しています。
今の所、一番信頼している強度のある作り方です。
きっとこのブログには、シザーケースをお探しの美容師様が訪れてくれているのだと思いますが、toolsでは、横浜、東京でのオーダーメイド製作のみで、未だ定番商品等は扱っていません。
オーダーメイドでシザーケースを製作する事で、定番になりうる形は、頭に浮かんでいるのですが、いかんせんオーダーを頂いている物が優先になりますので、中々進みませんね。
来年の中頃には、3タイプ位の定番シザーケースを完成させられるように、頑張ろうと思います。
ですが、今すぐシザーケースを探している美容師様もいらっしゃると思いますので、シザーケースの選び方について作り手の目線でアドバイスを出来ればと思います。
シザーケースを購入する際に、一番見なければいけない所は、「本体とベルトの接合部」です。
まず、接合部に良くあるタイプで、上の写真のように革を折り返しベルトを通す物があると思います。
この折り返し部分の革の厚みを見るようにして下さい。
革自体の強度により変わるので何ミリと言い切る事は出来ないのですが、最低でも2mm以上あると望ましいです。
ちなみにtoolsでは、このようタイプの場合、3mmの厚さを確保するようにしています。
私にオーダー頂いた方で、2万円もしたシザーケースが、一年持たずに、接合部の折り返し部分が切れてきてしまったと見せてくれた事がありました。
驚く事に、革の厚みを手持ちの定規でざっくり測った所、1mm弱しかありませんでした。
なので、折り返し部分を触った感じでも良いので、これは、重みに耐えられないだろうと思ったら、購入は控えた方がいいですね。
後、toolsでは、製作しないタイプで写真が無いのですが、本体の上部分にハトメを二つ付けて、そこにナスカンを通すタイプ。
これは、かなり多くのシザーケースで見られますが、強度としては、あまり高くないので、おすすめしません。
3年程度は、大丈夫ですが、それ以上経つと、ハトメが外れたり、ハトメの周りの革が切れて来ることがあります。
しかし、こちらのタイプは、一年経たずに壊れてしまう物とは違いますので、デザインや機能性が、凄く気に入った場合は、有りだと思います。
では、具体的に何を買えばベストなんだと言われそうですが。。
正直、一年持たずに壊れてしまうような物は、私は、粗悪品だと思っています。
そのような商品を手に取らない為に、本体とベルトの接合部を見て明らかに貧弱であった場合、購入を控えるようにするのが良いかと思います。
良いシザーケースを製作している所も沢山ありますが、粗悪品も、やはり存在します。
粗悪品といっても、数千円で売っていればお値段通りだと納得出来るかもしれませんが、それを何万円という値段で売るのは、いかがなものかと思います。
シザーケースを売れば儲かりそうだと、デザインだけ行い、OEMの会社に丸投げしている物だと思いますが、お天道様の下を堂々と歩けるように取り組んで頂きたいものです。
galleryにブラシホルダー付きシザーケースを追加しました
こんばんは。toolsの小柴です。
昨日で終了したシザーケースの製作風景で完成した作品をgalleryに追加しました。
galleryでは、オーダーメイドで製作したシザーケースを随時掲載しています。
オーダーをお考えの美容師様がイメージを膨らませるのに、ご活用して頂ければ嬉しいです。
今回galleryに更新した、フェイスブラシ付きシザーケースの載せていないカットがありましたので、勿体無いので、こちらでアップ。
正面のカットです。
ポケットを深めに作っていますので、しゃがんだ時などに、コームが落ちたりしないようになっています。
美容師さんとお話をしていると、コームが落ちて困っているという話をよく聞きますので、最近製作したシザーケースは、このように深め仕様が多いですね。
オーダーメイドで製作をしていると、美容師さんの生の声が聞けるので、より実用的なシザーケースを作るアイディアが山のように見つかります。
そして、忘れないように、必ずメモをして生かせる機会に活用する。
こういった小さな積み重ねが、きっと良い作品に繋がっていくのだと思います。
そして、シザーケースの裏面もアップ。
toolsのシザーケースは、各パーツが外せる物が多いです。
ダックカールベルト等は、何年も使用すれば伸びてボロボロになってきますので、交換が容易に出来るようにしています。
これを、本体に縫い付けてしまうと、全ての縫製を解いてベルトを付け替える必要がありますので、リペアの料金も高くなってしまいます。
お客様の負担が軽くなるような設計を最初にしておくことは、必須です。
作って終わりでは無く、作った後も続いていくという意識が、とても大事ですね。
オーダーメイドシザーケース 製作風景 vol.14
こんにちは。toolsの小柴です。
昨日の更新では、シザーケース本体が完成する所まで掲載しましたので、今日は、本体のDカンに取り付けるベルトを製作します。
付属のベルトもお客様のウエストサイズを測った上で製作を行っていますので、ベルトの先が余り過ぎたりすることは、ありません。
ベルトの先が余って垂れてしまうと、せっかくシザーケース本体が良くても、見た目が、だらしない感じになってしまいますからね。
まずは、バックルを取り付ける為の、穴を空けます。
余ったベルトの部分を抑える「サル革」が動いてしまわないように、四方4点を手縫いで縫製します。
そして、バックルの反対側の端にナスカンを取り付けます。
ナスカンが外れてしまわないように、カシメでしっかりと留めます。
このカシメが外れてしまうと、シザーケースが落下し、大切なシザー等に傷が付いてしまうかもしれません。
なので、カシメの中でも一番大きな「特大カシメ」を使用します。
特大カシメを使用しても、カシメの足の長さと革の厚みが、適切でなければ、すぐに外れてしまうので、注意が必要です。
toolsの付属ベルトは、二つのDカンにベルトを一本づつ付けるタイプになりますので、二本目のベルトを製作します。
片方の端に、一本目と同じように、ナスカンを取り付けます。
そして、もう一方の端を、バックルの留め具を差し込む穴を空けます。
そして、この穴にも拘りがあるのですが、円では無く、楕円にすることです。
円では無く、少し横長の円「楕円」にすると、ベルト穴が変形しづらく、すんなりとバックルが収まってくれます。
以上で、完成です。
長かった、オーダーメイドシザーケースの製作風景も今日で、一旦終了です。
今回の製作風景シリーズで、詳細な製作工程を載せた理由ですが、どのように拘ってシザーケースの製作しているのかを分かり易く伝えたかったからです。
お客様とお話をしていても、口で上手に伝える事が得意でない為、文章と写真なら出来るかも、という安直な考えです。。
今後も、部分的にはなりますが、製作の様子をアップしていこうと思いますので、たまに覗いて頂けると嬉しいです。
オーダーメイドシザーケース 製作風景 vol.13
こんにちは。toolsの小柴です。
今日は、製作風景でご紹介している物では無いのですが、オーダーメイドのシザーケースを納品してきました。
とても喜んで頂けたようで、この仕事をしていて良かったなと、しみじみ思いながら、美味しいお酒を飲む事が出来ました。
さて、シザーケースの製作風景ですが、残す所、後3回になります。
ラスト、もう少しお付き合い頂けると嬉しいです。
完成したシザーケース本体のサイズに合うようにダックカールベルトの端を裁断します。
これにボタンを付ければ本体に取り付ける事が出来ます。
ダックカールベルトの製作で気をつけている事は、「革の伸び」です。
ベルトは、使っていくうちに数センチ伸びますので、ピッタリ合わせておいても、時間が経つにつれダランと垂れてくるのです。
それを軽減する為に、ダックカールベルトを両手で全力で引っ張り、伸ばしてからサイズを合わせています。
これで、極端にベルトが伸びる事は無くなりました。
丈夫で長く使えるジャンパーホックを付けてダックカールベルト完成。
本体にダックカールベルトを付ける前に、もう一手間。
本体サイドの革の切断面が切りっぱなしになっていますので、こちらを磨いていきます。
納得いくまで根気よく磨いた結果、革が輝き出しました。
切りっぱなしの状態に比べ、グッと高級感が増しますね。
そして、本体にダックカールベルトを留めてみます。
自分で言うのなんですが、バッチシです。
写真だと分かりづらいですが、ダックカールベルトは、紺色なんですよ。
オーダーした美容師様の個性が出ていて、とても素敵だと思います。
それでは、本日は、ここまでです。
オーダーメイドシザーケース 製作風景 vol.12
オーダーメイドシザーケースの製作風景も佳境を迎えています。
今日は、これまでに製作したパーツの塊同士を縫製していこうと思います。
こちらは、シザーホルダーの前面にくるコーム等を入れるスペースです。
パーツをしっかりと接着したら、サイド2箇所を縫製していきます。
ここは、ミシンで縫製を行います。
重ね合わせた革の厚みは3.8mmですが、難なく縫ってくれる最高のミシンです。
最近、主流になっているコンピュータミシンでは無い、アナログミシン。
鉄の塊の頑丈なミシンに、ハイパワーのモーターを付けただけのシンプルな構造。
しかも、縫い進める以外、何の機能も持たないという、男心をくすぐるミシンです。
両サイドの縫製を終えたパーツ(写真左)と、シザーホルダー側のパーツ(写真右)を更に縫製します。
縫製が完了しました。
大きなパーツの塊が出来てしまえば、最後は、一気にシザーケースの形になっていきます。
製作していて、最もテンションの上がる所ですね。
明日は、仕上げとダックカールベルトの装着までを更新する予定ですので、また、覗いて頂ければと思います。